シーワオアシス観光ガイド|見どころと効率よく回る方法

シーワオアシス Siwa Oasis
シーワオアシス Siwa Oasis

エジプトの中でも、日本人が思い描く「オアシス」のイメージに最も近いのがシーワオアシスのように思います。

過酷な砂漠の中にあるオアシスには水があふれ、ナツメヤシの木が茂るのどかな景観が広がり、素朴な人々が暮らしています。
塩湖や鉱泉など、のんびりとした過ごし方の他にも、歴史ある神殿や遺跡も点在しており、“癒し+観光”の両方が楽しめる場所です。

ただしシーワはアクセスが非常に不便で、
個人で効率よく観光するのはやや難しいエリアでもあります。

ここでは、シーワで訪れたい観光スポットをご紹介します。

シーワの塩湖・鉱泉についてはこちら

アムン神殿 Amun Temple

シーワ・オアシスを代表する歴史スポットとして知られているのが、アムン神に捧げられた「神託の神殿(Temple of the Oracle)」です。砂漠の中に広がる静かなオアシスにありながら、古代には遠く地中海世界にまでその名が知られていた特別な聖地でした。

この神殿は、エジプト第26王朝時代(紀元前6世紀頃)に建てられたと考えられています。当時のシーワは、神からのお告げを受けられる場所として知られ、多くの人々が神託を求めて訪れていました。中でも有名なのが、紀元前331年頃にアレクサンドロス大王がこの地を訪れたという逸話です。

東方遠征の途中、アレクサンドロス大王はシーワまで足を運び、この神殿で神託を受けたと伝えられています。古代の記録によれば、この訪問をきっかけに、彼は「アムン神の子」と結び付けられるようになり、その後の神格化にも大きな影響を与えたとされています。この逸話によって、シーワの神託は古代世界でさらに広く知られる存在となりました。

神殿は、現在のシーワ中心部からほど近いアグルミ(Aghurmi)の丘の上に位置しており、周囲にはナツメヤシ畑やオアシスらしい穏やかな風景が広がっています。乾いた砂漠の景色と緑豊かな農園が共存する、シーワならではの独特な雰囲気を感じられる場所です。

現在は遺跡として残されており、崩れた壁や石造りの構造物から、かつてこの地が重要な宗教的中心地であったことを感じることができます。大規模な神殿遺跡ではありませんが、古代エジプト史やアレクサンドロス大王ゆかりの地として人気が高く、シーワ観光では欠かせない見どころのひとつとなっています。

オンム・イバイダ Temple of Umm Ubayd


アムン神殿の壁の一部。口開けの儀式の場面が描かれているレリーフが残っています。

神託の神殿があるアグルミの丘の近くに位置しており、現在は一部の石壁や柱などが残る遺跡となっています。もともとは保存状態の良い神殿でしたが、19世紀に建材目的で一部が破壊されたと伝えられており、現在は限られた遺構のみを見ることができます。

規模自体はそれほど大きくありませんが、静かな砂漠の景色の中にたたずむ遺跡は独特の雰囲気があり、シーワの歴史や古代信仰を感じられるスポットとして知られています。

シャーリー Shali Fortress


シーワ・オアシスの中心部に残る「シャーリー要塞(Shali Fortress)」は、シーワを象徴する歴史的な建造物のひとつです。現在は独特な土造りの遺跡として知られており、シーワ観光では外せない人気スポットとなっています。

シャーリー要塞は、13世紀頃に築かれたと考えられており、ベルベル系住民によって防衛目的で建設されました。「Shali(シャーリー)」はシーワ語で「町」を意味するとされ、かつてはこの城塞内部に多くの住民が暮らしていました。

建物には、シーワ特有の建築素材「カルシーフ(kershef)」が使われています。カルシーフは、塩・泥・石灰などを混ぜて作られる伝統的な素材で、オアシス地域ならではの建築様式として知られています。迷路のように入り組んだ通路や密集した家々は、外敵から身を守るために工夫された構造だったと考えられています。

1926年に発生した大雨によって要塞の多くが損傷し、住民たちは次第に周辺へ移り住むようになりました。現在は廃墟のような姿となっていますが、朽ちた町並みがそのまま残る独特な景観が、シーワを代表する見どころのひとつとなっています。

一方で、現在も一部には人が暮らしている建物が残っていると言われています。路地を歩いていると、子どもが顔をのぞかせたり、生活感を感じる場面に出会うこともあります。

また、歴史的な建物を活かしたホテルや小さなお土産店、カフェなども点在しており、遺跡のような景観の中に、今もシーワの暮らしが息づいているのがこの場所ならではの魅力です。

死者の山 Mountain of the Dead

シーワ・オアシスにある「死者の山(Mountain of the Dead / Gebel al-Mawta)」は、古代の墓が数多く残る歴史的な丘で、シーワを代表する遺跡スポットのひとつです。オアシス中心部から比較的近い場所にあり、小高い丘全体に無数の墓が広がる独特の景観を見ることができます。

この丘には、主に古代エジプト後期王朝時代からプトレマイオス朝、さらにローマ時代にかけて造られたと考えられる墓が残されています。墓の多くは岩を掘って作られた岩窟墓で、内部には壁画や装飾が残っているものもあります。

特に有名なのが、「シ・アムンの墓(Tomb of Si Amun)」です。墓内部には、古代エジプトの伝統的な彩色や神々の描写が比較的良好な状態で残されており、シーワの中でも見どころのひとつとして知られています。そのほかにも、クロコダイルの墓やメスウ・イシスの墓など、いくつか公開されている墓があります。

「死者の山」という名前の通り、丘全体が巨大な墓地のようになっており、乾いた砂漠の景色と相まって独特の雰囲気を感じられる場所です。第二次世界大戦中には、周辺住民が空爆を避けるため、一時的に墓を避難場所として利用したという話も伝えられています。

現在は観光地として整備されており、丘を登るとシーワ・オアシスの街並みやナツメヤシ畑を見渡すことができます。古代エジプトの埋葬文化と、シーワ独特の砂漠の風景を同時に感じられるスポットとして人気があります。

四角い穴

シーワでは、このように四角い穴が岩肌に並ぶ景色を各地で見ることができます。これらは、古代の墓や住居、貯蔵庫などとして利用されていたと考えられており、中にはローマ時代に使われていたものもあると言われています。

内部は場所によって異なり、広い空間が広がっているものもあれば、かがまないと入れないような小さな空間もあります。

現在では遺跡のような存在になっていますが、地元の子どもたちが遊び場として使っている姿を見かけることもあり、古代の遺構と現在の暮らしが自然に共存しているのもシーワらしい風景のひとつです。

カイロ銀行 Banque du caire

【おまけ】観光地ではありませんが、シーワオアシスにあった銀行。フランス語のようで”Banque du caire”と書かれています。シャーリーの近くにあります。シーワっぽい建物がかわいいです。

見学にはそれほど時間のかかる場所ではありませんが、いくつか観光もでき、鉱泉や塩湖のほとりでのんびり過ごすことのできる素朴なオアシス滞在はいかがでしょうか。

効率よく回る方法

シーワオアシスを効率よく観光するには、ツアーの利用がおすすめです。

シーワはエジプト西部の砂漠地帯に位置しており、カイロから長距離移動が必要なうえ、観光スポットも点在しています。公共交通だけで効率よく回るのは難しく、限られた日程では移動手段の確保が大きなポイントになります。

カイロ発の2泊3日プランでは、専用車で移動しながら、丸1日かけてシーワオアシスを観光。アムン神殿やシャーリー、死者の山といった歴史スポットに加え、クレオパトラの泉や塩湖など、シーワらしい景色も効率よく巡ることができます。

砂漠の中の静かなオアシスで、歴史や自然を楽しみたい方におすすめのプランです。

【SP-4】シーワオアシスの旅 2泊3日

  • アムン神殿
  • シャーリー
  • 死者の山
  • クレオパトラの泉
  • 塩湖(ソルトレイク)
  • ファンタジー島

などを巡ります。